1日3食が合う人も、2食が合う人もいる。大切なのは「自分の体に合っているか」
「食事は一日何食が正解ですか?」
健康やダイエットに関心がある人なら、一度は考えたことがあるテーマかもしれません。
昔からよく言われるのは「一日三食きちんと食べましょう」という考え方です。
一方で、最近では「一日二食」「一日一食」「オートファジー」「16時間断食」など、食事回数を減らす健康法もよく見かけるようになりました。
では、結局どれが正解なのでしょうか。
私の考えとしては、食事の回数に万人共通の正解はないと思っています。
朝からしっかりお腹が空く人もいれば、朝はどうしても食べられない人もいます。
毎日運動して消費カロリーが多く、たくさん食べた方が調子の良い人もいれば、もともと少食で、一日三食しっかり食べると体が重くなる人もいます。
年齢、性別、体型、筋肉量、活動量、仕事の内容、睡眠時間、体質、生活リズム。
こうした条件が違えば、その人に合う食事の回数も変わって当然です。
大切なのは、世の中で流行っている食事法に自分を無理やり合わせることではなく、自分の体の声を聞きながら、自分に合った食べ方を見つけることだと思います。
「一日三食」が絶対ではない。でも、意味がないわけでもない
日本では、長い間「一日三食」が基本のように考えられてきました。
朝食、昼食、夕食。
このリズムは、学校や会社の生活時間とも相性がよく、多くの人にとって自然に取り入れやすい形です。
実際、朝・昼・夜に分けて食べることで、極端な空腹を避けやすくなります。
一度に食べ過ぎることを防ぎ、日中の活動に必要なエネルギーも補いやすくなります。
特に、朝から活動量が多い人、肉体労働の人、運動習慣がある人、成長期の子ども、妊娠中・授乳中の方、高齢で低栄養が心配な方などは、食事回数を極端に減らすより、必要な栄養をこまめに摂る方が合っている場合があります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、必要なエネルギー量は性別・年齢・身体活動レベルなど多くの要因で変わるとされています。2025年版の策定ポイントでは、エネルギー必要量を単一の値として示すことは不可能であり、あまり有用ではないと説明されています。つまり、必要な食事量も食べ方も、本来は人によって違うということです。
だから「一日三食が絶対に正しい」と決めつける必要はありません。
ただし、「一日三食は古い」「朝食はいらない」と簡単に切り捨てるのも、少し乱暴だと思います。
三食が合う人には、三食が良い。
二食が合う人には、二食が良い。
ここを丁寧に見ていくことが大切です。
朝が苦手な人もいれば、朝からお腹が空く人もいる
食事回数の話でよく出てくるのが、「朝食を食べるべきかどうか」です。
朝食を食べた方が調子が良い人はたくさんいます。
朝から体温が上がり、頭が働きやすくなり、午前中の集中力が安定する人もいます。
一方で、朝はどうしても食欲がない人もいます。
起きてすぐは胃腸が重い。
無理に食べると気持ち悪くなる。
朝食を抜いた方が体が軽い。
そう感じる人もいるでしょう。
私は、そういう人に対して「朝食は絶対に食べなければいけない」とは思いません。
ただし、朝食を抜く場合でも注意したいことがあります。
朝を抜いた結果、昼にドカ食いしてしまう。
夜遅くにたくさん食べてしまう。
甘いものや脂っこいものが増える。
一日の栄養バランスが崩れる。
こうなってしまうなら、その朝食抜きはあまり合っていない可能性があります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、日々の食生活における課題として、朝食の欠食、野菜や果物の摂取不足、食塩のとりすぎ、肥満や若い女性のやせ、高齢者の低栄養などが挙げられています。
つまり、朝食を食べるかどうかだけでなく、一日全体で必要な栄養が取れているかが大切です。
朝が苦手なら、無理に定食のような朝ごはんを食べる必要はないかもしれません。
白湯、味噌汁、果物、ヨーグルト、ナッツ、少量のご飯など、軽いものから始めてもいいと思います。
反対に、朝からお腹が空く人は、しっかり食べた方が一日を気持ちよく始められるでしょう。
大切なのは、「朝食は良い」「朝食は悪い」と決めつけることではなく、自分の体がどう反応しているかを観察することです。
運動量が多い人と少ない人では、必要な食事量が違う
食事回数を考えるときに、必ず見たいのが運動量です。
毎日ランニングをする人。
自転車に長時間乗る人。
筋トレをしている人。
立ち仕事や体を使う仕事をしている人。
こういう人は、当然エネルギー消費量が多くなります。
消費が多ければ、食べる量も必要になります。
逆に、デスクワーク中心で、ほとんど歩かない生活をしている人は、エネルギー消費量が少なくなります。
その状態で、運動量が多い人と同じように食べれば、体重が増えやすくなるのは自然なことです。
食事の正解は、「何食か」だけでは判断できません。
一日三食でも、運動量に対して食べ過ぎていれば体重は増えます。
一日二食でも、必要な栄養が足りていなければ筋肉や体力が落ちることがあります。
一日一食でも、その一食で血糖値が大きく乱れたり、栄養が偏ったりする可能性もあります。
厚生労働省の資料でも、エネルギー摂取量がエネルギー消費量より多ければ体重は増加し、少なければ体重は減少すると説明されています。これはとても基本的なことですが、食事回数を考えるうえで重要な視点です。
つまり、「一日何食がいいか」を考える前に、
自分はどれくらい動いているのか。
今の体重は増えているのか、減っているのか、安定しているのか。
疲れやすくないか。
筋肉が落ちていないか。
日中の集中力は保てているか。
こうしたことを見ていく必要があります。
少食の人に三食を押しつける必要はない
世の中には、もともと少食の人がいます。
一度にたくさん食べられない。
三食しっかり食べると胃が重い。
食べすぎると眠くなる。
体がだるくなる。
そういう人に「健康のために一日三食しっかり食べましょう」と言っても、合わない場合があります。
もちろん、少食の結果として栄養不足になっているなら対策は必要です。
特に高齢者の場合、食が細くなることでたんぱく質やエネルギーが不足し、筋肉量が落ちてしまうこともあります。
けれど、少食でも体重が安定していて、体調が良く、必要な栄養が取れているなら、その人にはその食べ方が合っている可能性があります。
食事は「量をたくさん食べれば良い」というものではありません。
また「少なければ健康」というものでもありません。
大切なのは、量ではなくバランスです。
そして、その人の体に合っているかどうかです。
一日一食や16時間断食はどう考える?
最近は、一日一食や16時間断食のような食事法もよく知られるようになりました。
これらの食事法で体調が良くなった、体重が減った、胃腸が軽くなったという人もいます。
一方で、空腹がつらい、集中力が落ちる、反動で食べすぎる、睡眠が乱れる、筋肉が落ちるといった人もいます。
間欠的断食や食事タイミングに関する研究は増えていますが、すべての人にとって万能の方法とまでは言えません。2024年のスコーピングレビューでは、朝食欠食に関するランダム化比較試験では体重減少への影響は小さいとされ、食事回数や時間制限食については、研究デザインや対象者によって結果にばらつきがあることが示されています。
つまり、「16時間断食が流行っているから自分にも合うはず」と考えるのは少し危険です。
特に、以下のような人は慎重に考えた方が良いと思います。
成長期の子ども。
妊娠中・授乳中の方。
持病がある方。
薬を服用している方。
過去に摂食障害の経験がある方。
低体重の方。
高齢で食事量が少ない方。
激しい運動をしている方。
こうした人は、自己判断で極端に食事回数を減らすのではなく、必要に応じて医師や管理栄養士に相談した方が安心です。
健康法は、合う人には合います。
でも、合わない人には負担になります。
大切なのは、流行ではなく、自分の体です。
食事回数よりも大切なのは「一日全体の質」
食事回数に注目しすぎると、もっと大切なことを見落としてしまうことがあります。
それは、何を食べているかです。
一日三食でも、毎食が菓子パン、揚げ物、甘い飲み物、加工食品ばかりなら、健康的とは言いにくいでしょう。
一日二食でも、野菜、たんぱく質、炭水化物、脂質、発酵食品などがバランスよく取れていれば、体に合う人もいます。
食事回数は大切な要素の一つですが、それだけで健康は決まりません。
たんぱく質は足りているか。
野菜や海藻、きのこ類は取れているか。
ご飯や芋類などのエネルギー源は適量か。
脂質の質はどうか。
甘いものやアルコールが増えすぎていないか。
水分は取れているか。
夜遅くに食べすぎていないか。
こうした全体のバランスを見ることが大切です。
「一日何食か」よりも、
「一日を通して体が整う食べ方になっているか」
を見た方が、実際の健康にはつながりやすいと思います。
ヨガと同じで、食事も「その人に合わせる」のが一番いい
これはヨガにもよく似ています。
ヨガでも、よく聞かれることがあります。
何時にヨガをやるのがいいですか?
何分やればいいですか?
どのポーズが一番効果的ですか?
毎日やらないと意味がないですか?
もちろん、一般的な目安はあります。
朝のヨガは一日を気持ちよく始めやすい。
夜のヨガはリラックスに向いている。
短時間でも毎日続けると習慣になりやすい。
肩こりには肩まわり、腰には股関節や背骨まわりの動きが役立つことがある。
でも、最終的にはその人に合わせるのが一番です。
朝が苦手な人に、無理に朝ヨガをすすめても続きません。
疲れ切っている人に、強度の高いポーズをすすめても逆効果になることがあります。
体が硬い人、痛みがある人、運動経験がある人、ストレスが強い人。
それぞれ必要なヨガは違います。
食事も同じです。
朝食が合う人もいれば、合わない人もいる。
三食が合う人もいれば、二食が合う人もいる。
たくさん食べた方が元気な人もいれば、少し軽めの方が調子が良い人もいる。
だからこそ、「これが正解」と決めつけるよりも、自分の体をよく観察することが大切です。
ヨガで呼吸や体の感覚に意識を向けるように、食事でも食後の体の変化に気づいてみる。
眠くなるのか。
集中できるのか。
胃が重いのか。
気分が安定するのか。
便通はどうか。
運動のパフォーマンスはどうか。
自分の体を観察することは、食事におけるマインドフルネスでもあります。
「正しい食事」より「続けられる食事」
健康のための食事で大切なのは、長く続けられることです。
どんなに良さそうな食事法でも、ストレスが強すぎると続きません。
我慢ばかりの食事は、どこかで反動が出やすくなります。
毎日完璧な食事をしようとしなくていいと思います。
外食の日もある。
忙しくて簡単に済ませる日もある。
甘いものを食べたい日もある。
食べすぎてしまう日もある。
人間なので、それでいいと思います。
大切なのは、そこからまた整えればいいということです。
一回の食事で健康が決まるわけではありません。
一日だけで体が大きく変わるわけでもありません。
食事もヨガも運動も、日々の積み重ねです。
無理なく続けられること。
自分の生活に合っていること。
体調が安定すること。
心にも負担が少ないこと。
そういう食べ方が、その人にとっての正解に近いのだと思います。
自分に合う食事回数を見つけるためのチェックポイント
では、自分に合う食事回数はどうやって見つければ良いのでしょうか。
まずは、今の食事回数で体調がどうなっているかを見てみることです。
朝起きたとき、体は軽いか。
午前中に集中できるか。
昼食後に眠くなりすぎないか。
夕方に強い空腹でイライラしないか。
夜に食べすぎていないか。
体重が急に増えたり減ったりしていないか。
運動するエネルギーがあるか。
便通は安定しているか。
睡眠の質はどうか。
こうしたことを観察すると、自分に合うリズムが少しずつ見えてきます。
たとえば、朝を抜くと昼に食べすぎる人は、軽い朝食を入れた方が良いかもしれません。
三食食べると胃が重い人は、量を減らしたり、二食+軽い補食にしたりする方が合うかもしれません。
運動量が多い人は、食事回数を減らすより、必要なエネルギーとたんぱく質をしっかり補うことが大切かもしれません。
一度決めた食事法を、一生続けなければいけないわけでもありません。
季節によっても変わります。
年齢によっても変わります。
運動量によっても変わります。
仕事の忙しさやストレスによっても変わります。
今の自分に合う食べ方を、その都度見直していく。
それくらい柔軟でいいと思います。
まとめ:食事は一日何食が正解?
食事は一日何食が正解なのか。
私の答えは、人によって違うです。
一日三食が合う人もいます。
一日二食が合う人もいます。
朝食を食べた方が元気な人もいれば、朝は軽めの方が調子が良い人もいます。
運動量が多くたくさん食べる必要がある人もいれば、少食で無理に食べない方が楽な人もいます。
年齢、性別、体型、活動量、生活リズム、体質によって、合う食事回数は変わります。
大切なのは、流行っている食事法に飛びつくことではありません。
「一日三食が正しい」
「朝食は絶対にいらない」
「一日一食が最強」
そういった強い言葉に振り回されすぎないことです。
ヨガと同じように、食事もその人に合わせるのが一番です。
自分の体を観察する。
食後の感覚に気づく。
無理なく続けられる形を探す。
必要な栄養をきちんと取る。
そして、心にも体にも負担の少ない食べ方を選ぶ。
それが、長く健康に過ごすための食事の基本だと思います。
食事は、正解を探すものではなく、自分の体と対話しながら整えていくもの。
一日何食かにこだわりすぎず、今の自分に合った食べ方を見つけていきましょう。








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